−ごあいさつ−

 現在人はよく忙しいと申しますが、忙しいという字は「りっしんべん」の「心」という字を立てた形で「心」が「亡」ぶという意味になります。
心が亡んでしまうと、自分自身を「忘」れるのです。【忙中閑あり】という言葉は忙しい中に、ふと心の静まる合間・時間があるということです。
 こういう時間をもつことによって、人間はより人間らしく、うるおいのある生活を営めるのではないでしょうか。


−高野長峰霊場−

 この霊場は高野山の西に位置し、高野山七街道のひとつ高野表街道で、千古の昔より人々の往来たえることなく、お大師さまがよく通られた大変ご縁の深い処です。また、貴志川の清流、山野の美観は、仏教の聖地、中国の天台山を思い浮かべさせてくれます。この乾坤の中にこそ、御同行各位がご自身を見出すに絶好の環境として疑い有りません。

 此に私達は昭和六十二年を発願の年として此の霊場を開白し、生ける人々の一切心身にまつわる悩みをご本尊様に帰依する事により、安心の境地の糧としていただければ幸甚です。
 是非多くの方々に仏縁、衆生縁を結ばれん事を祈念申し上げます。

合掌