第十一番 独立本山 修心院金閣寺

■独立本山修心院白浜金閣寺の由来

 紀伊の国十三仏霊場第十一番札所の当山は開山の祖中谷浄道が、自らの資本を投入、二十数年の歳月と、あらゆる辛苦修行の末、白浜太刀ヶ谷の山中に十四堂伽藍を兼備せる大金閣を造営し、日夕自ら深く禅定に入ると共に、遍く信仰心の涵養に寄与すべく開山されたものであります。
 即、中谷浄道は、きびしい禅の修業と、一日二十四時間連続の農作業に於いて、鍬を振り鎌を握りながら、天地宇宙と心気力一致、精神の統一で腹読案、また前人未踏の呼吸断ちにより、神霊は肉体を離れ宇宙と同化、神仏の境地を切り拓いたものであります。
 この心霊の威力を商道に活用「禅商一味」の理念に基づき成し遂げた一代の浄財を注ぎ、他人の寄附はこれを辞退し、釈迦の原理である餓虎捨身の教えを実行、仏の御導をあまねく一般に開放したものであります。

■観光
 当山は三段壁、円月島をはじめ白砂青松の天下の白浜温泉にあり、ここ太刀ヶ谷は神武天皇御東征の御天皇自ら宝剣を埋め戦捷を祈願したと伝えられる日本国発祥の由緒ある霊地であります。
 また山内その輪換の美は四季等しく人々の心に安らぎを与え、静にたたずむ国宝級の仏像の慈眼は、現世極楽、二世安楽の願いを叶えてくれる信仰の霊場として今も静に人々の訪水を待っております。
 大千の門と称し約四千貫、三十三丈の世界一の高さの男女仁王尊の天地陰陽を象どる山門を入りますと阿閻如来をお祀りする本堂、樹齢千数百年の無疵の屋久檜材に、人間国宝松久宗琳先生が彫りあげられた十一体の仏様の荘厳なお姿を拝す三宝殿があります。
 金閣寺は、前面に十万人の人手と一年半の歳月をかけて掘られた人工の池に鶴亀の島を配し、水蓮の花が淡いくれないの灯を水面にかかげ、また月光に映ゆる金閣の眺めは格別の情趣でもあります。
 このほか泉都の山上にあって、自然の緑の中に美しく調和する五重塔、極楽殿、多宝塔が四季折々の花々に映え、正にこの世の極楽を思わせるたたずまいを見せております。

■年中行事

正月三ヶ日 初詣
四月八日 阿閻如来・金閣寺・極楽法要
十月二十一日 五重塔に祈る神風特攻隊英霊供養
十二月三十一日 除夜の鐘

■交通
 JR白浜駅および白浜有料道路出口より白浜温泉に向かい霊泉橋手前、近畿大学養漁場に沿って橋より徒歩僅5分ばかりの交通便利な地に位置し、明光バスでは古賀浦バス停にて下車、橋を渡ると湾内奥に山門五重塔などが望まれます。

 


(御本尊)
(開創) 中谷浄直による開山。
(所在地) 和歌山県西牟婁郡白浜町太刀ヶ谷
(電話) 0739-42-2437