第二十四番 鶴舞山 宝樹寺
(西山浄土宗)
阿弥陀如来

 

 公園のツツジを、車窓に眺めて、深日町駅でおりる。すぐ横の国道26号線の陸橋を南へ渡ると、直ぐ鶴舞山宝樹寺がある。これほど展望のよい寺は多くなかろう。紀淡海峡をへだてて淡路島が絵のように浮かび、眼下には深日港の賑わいも見える。鶴舞山とは、昔から鶴の舞う名勝地であったらしい。今日でも特に野鳥が多い。この寺は村の中央にあったが昭和49年にこの景勝の地に移築された。この地は関西国際空港の開港によって、一躍世界の玄関口になる。いつの日にか霊場参拝の人々も国際化してゆくに違いない。
 この寺は、村の中央部にあったのを、昭和49年大修繕の必要に迫られた機会に、この景勝地に、新しく移転新築された。
 寺伝によれば、その昔飯盛山に、役行者が草創した千間寺(新義真言宗根来寺の末寺)の下寺であった。天文の頃(1532〜1554)、和泉と紀州の村人との間に、山林の境界争いが起こり、双方とも譲らず、流血の戦いが永年繰り返されていた。これを見かねた紀州梶取本山(西山浄土宗)の哲翁託賢上人が仲介の労をとられ、和議が成立した。村人大いに喜び、その恩義に感じて改宗し、深日村にあった当寺を、梶取総持寺末寺とした。
 通称化石寺と呼ばれる様になったのは、先代住職の趣味で全国の銘石や化石が集められていた。特に昭和30年頃、紀淡海峡友ヶ島の海底から、ナウマン象の化石(約4〜5万年前)が見つかり、数百点を蒐集、学界の注目を浴び、マスコミによって宣伝されてからである。
 三階の化石展示室に案内してもらう。小学校の教室ほどの広さであろうか。それが所狭しと、国内は言うに及ばず外国の珍しい化石がずらりと並べられている。

■最寄りの交通機関
 南海電鉄みさき公園乗換深日町駅下車

※化石寺


(御本尊) 阿弥陀如来
(開創) 開基者・年代不詳
(所在地) 大阪府泉南郡岬町深日3175-5
(電話)

0724-92-2225

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