第十八番 子安山 地蔵寺
(高野山真言宗)
子安延命地蔵菩薩

 

 河内長野駅から南海バス、光明池行に乗ると、天野山金剛寺の前を通って、十数分で善正町バス停につく。このバスは1時間に1回であるが、槇尾中学校行きも利用できるからそれほど待たなくてもよい。バスをおりると槇尾山に通ずる街道を500m南に行けば、右側の坂下に子安地蔵と彫った石柱が建っているのですぐ分かる。
 お大師様が槇尾山で修行された時、この地で難産に苦しむ婦人を、お地蔵様に祈願して助けてあげられた。その時のお地蔵さんがこの善正寺の地蔵さんだといわれる。
 その後、和泉六地蔵の一つに数えられ、安産、子育て、健康、長寿のご利益がある地蔵さんとして、更に最近は水子供養を願う人々も加わり、遠近問わず祈願参詣に来る人が多いということである。
 石柱の建っている急坂を登ると、右手に古びた庚申堂があり、正面に本堂がある。本堂は荘厳されているが、近代的で一見研修所のようなイメージである。詠歌布教のほか、茶道、華道、書道などの文化活動を通して仏徳を広めていなさるご住職の現代的布教感覚がこのお堂に表われている。
 右隣の庚申堂は一国一宇の和泉国庚申堂で、摂津の国の庚申堂が四天王寺の近くにあるのと同じである。つまりその地方の庚申信仰の中心であって、今も新年の庚申の日は初庚申といって多くの人が参って来る由。
 なお、ご本尊は出畑の地蔵さんと呼ばれている。その昔、平家の落人が河内長野市の南西端の山深い滝畑の里に住みつき、そのうち六戸がこの善正町に移り住んだのでこの町を俗にデバタと呼んでいる。その人達がみんな善人で正直な人ばかりだったので善正町の名がついたのでしょうと、語る住職の顔にも公達のようなノーブルな雰囲気が漂っていた。

■最寄りの交通機関

  〇南海高野線、近鉄南大阪線河内長野駅下車
   東光明池行、善正下車徒歩7分
  〇泉北鉄道光明池下車、河内長野行バス、又は関西サイクルセンター行、善正下車


(御本尊) 子安延命地蔵菩薩
(開創) 弘法大師開基と伝わる。貞享元年中興。
(所在地) 大阪府和泉市善正町329
(電話)

0725-92-2181